【インタビュー】人事評価制度で成功する企業と失敗する企業とは
- Reeracoen
- Apr 16, 2018
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人事評価制度はなんだか難しい、導入しても上手く運用できないなど、多くの企業で耳にします。 そこで、人事コンサルタントのプロフェッショナルとして多くの企業の課題解決をされてきた、アルドーニ株式会社 代表取締役 永見さんに、人事評価制度を導入して成功する要因を伺ってきました。 永見さんは、PwCやIBMで人事コンサルタント、リシュモンジャパンで人事企画マネジャーとして勤務された後、2016年にフリーランス人事として独立。2018年2月に法人化され代表取締役に就任されています。
人事評価制度の重要性とは?
ー今まで外資系、日系企業様々な企業を見てこられていますが、人事評価に関して違いはありますか?
外資系、日系による違いはありません。企業ごとに評価制度の内容が異なるので、そもそも全く同じ評価制度を運用しているところって無いんですよね。 運用面に関しては、外資系企業でもうまく活用できていない企業は存在します。
ただ、外資系は社員の入れ替わりが日系企業よりも頻度が高く、業績によって評価される風土が定着しているので、評価基準が明確になっている場合が多いです。
一方、日系企業においては評価制度がきちんと根付いているところもある一方で、人事評価制度自体が形骸化していて、社長や上司の判断だけで、社員を評価している会社はあります。それでも上手く経営している会社もありますが(笑)。
ーそもそもなぜ人事評価制度は必要なのですか? いろいろな企業を見ていると、人事評価制度を社内で浸透させ、しっかりと運用している会社は、離職率が低いと感じています。
社員が離職する理由の一つが会社の評価に対して不満があるケースです。
「なぜあの人が昇格しているのか?」「なぜ自分は評価されないのか?」このように、適切に評価している基準が社員から見えなければ、不公平感を感じ、社員は退職してしまいます。
結局のところ、人事評価制度の肝は、働いている社員からの納得感が得られるかどうかが本質なんだと感じています。
また評価軸というのは、社員に対する会社側の期待を具現化したものとも言えます。
どのような成果を出し、どのようなスキルを身につけてほしいのか、これを明示することにより自分の仕事に対する指針にもなりますし、モチベーションにもなりえます。
人事評価制度の導入時期、成功要因とは?
ー人事評価制度は、いつ、どのタイミングで導入する必要がありますか?
共同創業者や業務委託、アルバイト、インターン等で構成されているスタートアップ企業は、導入する必要はまだ、無いかもしれません。
しかし、創業者とのつながりなども全く無い外部から正社員採用を始める頃には、人事評価について考えなければならないと思います。会社によって異なるかもしれませんが、イメージとしては組織が20人を超えてくる段階で、人事評価制度の導入は必須ではないかと思います。
ー人事評価制度を導入して成功するためのポイントはありますか? まず、人事評価制度を導入する目的を明確にする必要があります。
目的を明確にしないと、評価制度の中身をどう設計するのか、また、どういった点に重きを置くのべきなのかといったことを会社も社員も理解できないため、せっかく時間をかけて導入しても効果が出ません。
また、評価軸に関しては、数値で測れる定量的な評価と、数値では測れない定性的な評価をバランス良く取り入れることです。
成果での評価も重要ですが、成果に向けたプロセスをどう評価するのか、この点も明確にするべきだと思います。
プロセスの評価については、普段から上司と部下のコミュニケーションが必要です。
上司が部下の成果に結びついているプロセスもしっかりと見ているという点が最も重要だと思っています。
人事評価のタイミングについては、年に1回ではなく、半期ごと、できれば四半期ごとの評価が望ましいです。
四半期ごとに目標に対して上司から部下にフィードバックを施す事で、目標に対するズレが少なく、進捗も適切に把握する事ができ、より効果があると感じています。もちろん、そういった評価の時期以外にも、普段から上司と部下がコミュニケーションをとることで、適宜フィードバックや指導を行うことや、部下から業務上の相談ができることが評価制度の効果をあげることにつながります。
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